2009年11月25日
ストリング感想 ④ ゴーセン パワーマスター Ⅰ の評価
ストリング 感想 ④
ストリング ( ガット ) の 評価 ・ インプレッション の4回目です。
ゴーセン パワーマスター Ⅰ
【 商品表記 】
ゴーセン独自の扁平形状をもったモノフィラメントモデル。鋭いスピン性と耐久性で他を圧倒!
【 素 材 】 高分子ブレンド、表面特殊樹脂加工
【 ゲージ 】 1.09 ~ 1.45 (扁平形状)
【オリジナル判定 最高は★5つ】
試行条件 : ストリングパターン 18×20。テンション 58
飛距離・・・・・・・・・★★
打球スピード・・・・★★
スピン性・・・・・・・・★★★★
コントロール性・・・★★★★
ソフト感・・・・・・・・・★★
ホールド感・・・・・・★★★★
◆初めての きし麺?いや扁平形状 に膨らむ期待!
2ヶ月程前からテニス雑誌で広告を見るたびに、気になって仕方がなかったストリング。
GOSEN POWER MASTER Ⅰ 。ようやく試すことができました。
何といっても前代未聞の扁平形状。張り上がりを確認するまで心配していたのは、ストリングの
交差部分です。
細い部分と細い部分が交差している所があると、そこからブチッと簡単に切れてしまうんじゃないか
と思ったわけです。 ところが、不思議なことに、上手い具合に平らな面と平らな面が交差するよう
に張り上がるものなんですね。
ラケットの面を眺めてみると、ゲージが太いなーと感じます。普段、1.30mmでも太いと感じるの
に、なにせ今回は、1.45mm(平らな面)ですから。
しかし、その広い平ら面ゆえ、ボールを 「 点 」 ではなく 「 面 」 で捉えることができ、接触面積を
大幅に拡大させることにより、スピン性能 ・ ソフト感 ・ 弾き返すパワー ・ スピードなどが、いず
れも向上しているというのですから、期待は膨らみます。果たして・・・
実際に打ち始めて、まず、口をついて出てきてしまった言葉は、「 かっ、硬い 」。
続いて浮かんできたのは、「 打感が重い 」、「 飛ばない 」 でした。
硬さですぐに思い出したのは、同じゴーセンの ミクロスーパー16 L。
あのストリングは、細い針金で打っている様な硬さでしたが、これは、その針金が太くなった感じ。
そのため、打感が重くなり、弾きも鈍くなって、飛ばなくなってしまった様な印象を持ちました。
確かに、ボールの食いつき感は特別なものがあり、フラットショットにおいて、スィートスポットで
捉えた場合に限り、一度くわえ込んでシュワッと狙った所へ放つ打感を得られます。
この感覚、ブリヂストンの C-SNIPE 3.0 ( シースナイプ 3.0 ) で打った時の独特な打感に
似ています。 シースナイプの場合は、ラケットがそういう性能を持っていたわけですが、似た打感です。
ほかにも食いつきの良いストリング ( 例えば、ここでもご紹介した ライブワイヤー130 など ) は
ありますが、ボールをくわえこんだあと、弾き出す時の方向に20℃範囲内位でのブレが生じます。
そのブレが、このストリングでは、限りなく小さいように感じます。
ただ、問題が一つ。このくわえ込んで放てるスポットが実に小さい。少しズレれば、途端に ボソッ
とした、飛ばない打感になります。
オフショットというほど大きなズレではないんです。少しズレるだけでダメなんです。
これは、ちょっとやっかい。もう少し許容範囲がほしい・・・。
◆約1.5倍増の高回転!スピンとスライス性能は さすが!
そんな事を感じつつ、フラットストロークから、スピンストロークに切り替えてみると、おっ、これは
フラットとはまた違う感触。
フラットほどのシビアさはなくなって、どこで打っても、ストリングが一度とらえてボールを送り出す
のを感じることができます。
これぞ扁平形状の恩恵という感じ。
球が平面にへばりつき過ぎる、ということもなく、適度な接触で送り出し、スピンがよくかかります。
スライスも同様。まっすぐ飛んで、相手の近くでフワッとホップしていくようなボールを打てます。
感覚としては、いつもの1.5倍位、回転が増している感じです。
こうしてみると、このストリング、フラットで一点に集約した打ち方をするより、撫でるというか、
7~8本のストリング上で転がしながらミートする様な打ち方、つまりスピンやスライス系の
ショットで、本来持っている特性を引き出せそうな感じがします。その場合には、フラットショット
で感じた硬さも随分軽減されますし、打感の重さは残りますが、飛距離も出やすくなります。
その意味で、フラット系のハードヒッターよりも、スピンやスライスを主体とする方に適していると
感じます。
◆フラットサーブが、ストンと落ちた・・・
また、特に、おやっ? と思ったのは、フラットサービスが、サービスライン手前で急激にストンと
落ちて IN してくれることです。
これは、面白いと思いました。今まで使ってきたストリングでは見られなかった現象。ありがたいですね。
したがって、サーブについては、フラット系も有効だと思います。ストロークの時ほどの、硬さ、
重さを感じないのは、自分でトスした球を打っているので、スイートスポットを外さずに打てて
いるからでしょう。
ボレーでは、打感の重さは感じますが、面に一度ボールがのった感触が得られますから、コント
ロールは、しやすいです。
弾き過ぎることがなく、よく抑えがきいて、打ちたい所へ持っていく事が可能です。
ただ、どちらかといえば、反発とスピード命の平行陣ダブルスでのボレーより、シングルスでの
アプローチ & ボレーでメリットがあると個人的には思います。
最後に、文中何度か書いてきましたが、扁平形状の面部分でボールをとらえるためか、打感の
重さ、弾きの鈍さみたいなものは、どうしてもあります。
それだけに、このストリングを使いこなすには、しっかりとしたフォームと、ラケットにパワーを求め
なくとも、自分の力で打っていける一定以上の筋力が必要と思われます。
この条件を満たしている、スピンまたはスライスを主体としているプレーヤーには、重いスピン、
低弾道で伸びるスライスを繰り出すためのプラスアルファのアイテムになってくれるのでは
ないでしょうか。
カラーは、ホワイト 1 色。価格は、2300円程度と、お手頃の範囲内といえそうです。
ゲージが、1.00~1.43 の パワーマスターⅡ もあります。「 飛びも実現! 」 というキャッチが
加わり、パッケージ裏面に記されている反発力 ・ ソフト感 ・ スピンのメモリも Ⅰ に比べ、全て
1 つ上になっているものです。
フラット系のハードヒッターは、もしかしてこちら ? と思いきや、耐久性が Ⅰ に比べて 2 ダウン
ですから、そうともいえませんね。
● TOALSON ライブワイヤー 130 の感想・評価は、こちら。
● GOSEN ミクロスーパー 16 L の感想・評価は、こちら。
● Wilson スタミナスピン の感想・評価は、こちら。
● TOALSON レンコン デビルスピン の感想・評価は、こちら。
ストリング ( ガット ) の 評価 ・ インプレッション の4回目です。
ゴーセン パワーマスター Ⅰ
【 商品表記 】
ゴーセン独自の扁平形状をもったモノフィラメントモデル。鋭いスピン性と耐久性で他を圧倒!
【 素 材 】 高分子ブレンド、表面特殊樹脂加工
【 ゲージ 】 1.09 ~ 1.45 (扁平形状)
【オリジナル判定 最高は★5つ】
試行条件 : ストリングパターン 18×20。テンション 58
飛距離・・・・・・・・・★★
打球スピード・・・・★★
スピン性・・・・・・・・★★★★
コントロール性・・・★★★★
ソフト感・・・・・・・・・★★
ホールド感・・・・・・★★★★
◆初めての きし麺?いや扁平形状 に膨らむ期待!
2ヶ月程前からテニス雑誌で広告を見るたびに、気になって仕方がなかったストリング。
GOSEN POWER MASTER Ⅰ 。ようやく試すことができました。
何といっても前代未聞の扁平形状。張り上がりを確認するまで心配していたのは、ストリングの
交差部分です。
細い部分と細い部分が交差している所があると、そこからブチッと簡単に切れてしまうんじゃないか
と思ったわけです。 ところが、不思議なことに、上手い具合に平らな面と平らな面が交差するよう
に張り上がるものなんですね。
ラケットの面を眺めてみると、ゲージが太いなーと感じます。普段、1.30mmでも太いと感じるの
に、なにせ今回は、1.45mm(平らな面)ですから。
しかし、その広い平ら面ゆえ、ボールを 「 点 」 ではなく 「 面 」 で捉えることができ、接触面積を
大幅に拡大させることにより、スピン性能 ・ ソフト感 ・ 弾き返すパワー ・ スピードなどが、いず
れも向上しているというのですから、期待は膨らみます。果たして・・・
実際に打ち始めて、まず、口をついて出てきてしまった言葉は、「 かっ、硬い 」。
続いて浮かんできたのは、「 打感が重い 」、「 飛ばない 」 でした。
硬さですぐに思い出したのは、同じゴーセンの ミクロスーパー16 L。
あのストリングは、細い針金で打っている様な硬さでしたが、これは、その針金が太くなった感じ。
そのため、打感が重くなり、弾きも鈍くなって、飛ばなくなってしまった様な印象を持ちました。
確かに、ボールの食いつき感は特別なものがあり、フラットショットにおいて、スィートスポットで
捉えた場合に限り、一度くわえ込んでシュワッと狙った所へ放つ打感を得られます。
この感覚、ブリヂストンの C-SNIPE 3.0 ( シースナイプ 3.0 ) で打った時の独特な打感に
似ています。 シースナイプの場合は、ラケットがそういう性能を持っていたわけですが、似た打感です。
ほかにも食いつきの良いストリング ( 例えば、ここでもご紹介した ライブワイヤー130 など ) は
ありますが、ボールをくわえこんだあと、弾き出す時の方向に20℃範囲内位でのブレが生じます。
そのブレが、このストリングでは、限りなく小さいように感じます。
ただ、問題が一つ。このくわえ込んで放てるスポットが実に小さい。少しズレれば、途端に ボソッ
とした、飛ばない打感になります。
オフショットというほど大きなズレではないんです。少しズレるだけでダメなんです。
これは、ちょっとやっかい。もう少し許容範囲がほしい・・・。
◆約1.5倍増の高回転!スピンとスライス性能は さすが!
そんな事を感じつつ、フラットストロークから、スピンストロークに切り替えてみると、おっ、これは
フラットとはまた違う感触。
フラットほどのシビアさはなくなって、どこで打っても、ストリングが一度とらえてボールを送り出す
のを感じることができます。
これぞ扁平形状の恩恵という感じ。
球が平面にへばりつき過ぎる、ということもなく、適度な接触で送り出し、スピンがよくかかります。
スライスも同様。まっすぐ飛んで、相手の近くでフワッとホップしていくようなボールを打てます。
感覚としては、いつもの1.5倍位、回転が増している感じです。
こうしてみると、このストリング、フラットで一点に集約した打ち方をするより、撫でるというか、
7~8本のストリング上で転がしながらミートする様な打ち方、つまりスピンやスライス系の
ショットで、本来持っている特性を引き出せそうな感じがします。その場合には、フラットショット
で感じた硬さも随分軽減されますし、打感の重さは残りますが、飛距離も出やすくなります。
その意味で、フラット系のハードヒッターよりも、スピンやスライスを主体とする方に適していると
感じます。
◆フラットサーブが、ストンと落ちた・・・
また、特に、おやっ? と思ったのは、フラットサービスが、サービスライン手前で急激にストンと
落ちて IN してくれることです。
これは、面白いと思いました。今まで使ってきたストリングでは見られなかった現象。ありがたいですね。
したがって、サーブについては、フラット系も有効だと思います。ストロークの時ほどの、硬さ、
重さを感じないのは、自分でトスした球を打っているので、スイートスポットを外さずに打てて
いるからでしょう。
ボレーでは、打感の重さは感じますが、面に一度ボールがのった感触が得られますから、コント
ロールは、しやすいです。
弾き過ぎることがなく、よく抑えがきいて、打ちたい所へ持っていく事が可能です。
ただ、どちらかといえば、反発とスピード命の平行陣ダブルスでのボレーより、シングルスでの
アプローチ & ボレーでメリットがあると個人的には思います。
最後に、文中何度か書いてきましたが、扁平形状の面部分でボールをとらえるためか、打感の
重さ、弾きの鈍さみたいなものは、どうしてもあります。
それだけに、このストリングを使いこなすには、しっかりとしたフォームと、ラケットにパワーを求め
なくとも、自分の力で打っていける一定以上の筋力が必要と思われます。
この条件を満たしている、スピンまたはスライスを主体としているプレーヤーには、重いスピン、
低弾道で伸びるスライスを繰り出すためのプラスアルファのアイテムになってくれるのでは
ないでしょうか。
カラーは、ホワイト 1 色。価格は、2300円程度と、お手頃の範囲内といえそうです。
ゲージが、1.00~1.43 の パワーマスターⅡ もあります。「 飛びも実現! 」 というキャッチが
加わり、パッケージ裏面に記されている反発力 ・ ソフト感 ・ スピンのメモリも Ⅰ に比べ、全て
1 つ上になっているものです。
フラット系のハードヒッターは、もしかしてこちら ? と思いきや、耐久性が Ⅰ に比べて 2 ダウン
ですから、そうともいえませんね。
● TOALSON ライブワイヤー 130 の感想・評価は、こちら。
● GOSEN ミクロスーパー 16 L の感想・評価は、こちら。
● Wilson スタミナスピン の感想・評価は、こちら。
● TOALSON レンコン デビルスピン の感想・評価は、こちら。