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楽・粋・癒 テニスウェア、アンダーウェア、ラケット試打、ストリング(ガット)のインプレ、感想など、ご参考になれば嬉しいです。そして、デビューアルバムを聴いて以来の元気と癒しの源、少女時代の魅力や情報もお届けします。

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シャラポワを翻弄した、伊達選手3つの相乗効果

                               東レパンパシフィックオープンテニス 2010

1回戦で、シャラポワ選手に勝利した伊達選手。

私がこの試合で感じたのは、3つの相乗効果です。
3つとは・・・

   ●アングルの効果
   ●ライジングの効果
   ●ラケットの効果

深いアングル、浅いアングル、コントロールを駆使してライン際スレスレに、左へ右へ。
相手は、常に動かされます。

これをライジングで行うので、効果は絶大。
相手はボールに追いつく十分な時間を作れません。
アングルとライジングの相乗効果がみられます。

ただ、ライジングショットをコントロールするのは難しく、
ましてやパワーのあるシャラポワ選手のボールを思い通りに返すのは、
本来、至難の業だと思います。

伊達選手のストロークは、その多くの場合が、やや下からやや上へ、
ボールに向かってそのまま素直にラケットを振り出してくスイング。
大きく振り上げてスピンをかけるのとも、フラットで引っぱたくのとも違います。
必要時以外は、自分で強烈なスピン回転を作っていくのでも、
自分でグンッと打球を加速させようというのでもない、
来たボールに対してコンパクトに、しかし、相手のボールのパワーをも利用しながら、
短時間でもしっかりと面に乗ったのを感じて送り出していくようなスイング。

そうしたスイングでありながら、シャラポワが放つようなパワーのある打球に対して、
ラケットを弾かれたり打ち負けたりせずに、ライジングで、しかもしっかりコントロールしている
ことに驚嘆するのですが、その援護に一役買っているのがラケットではないかと思うのです。

基本性能が彼女のプレースタイルに対応できることはもちろん、
相当に重量があるものと思われます。
一般に販売されているヨネックス Sフィット3 は、面サイズ 105インチ、重さ 275gの様ですが、
実際に使用しているものは、370g前後あるのではないでしょうか。もっとあるかもしれません。

木で想像してみましょう。枝を振り回して打つか、太い丸太の幹で打つかでは、
断然、丸太のほうが、衝撃が少なく、返球がし易いことでしょう。
これが、アングル、ライジングの効果をバックアップするラケットの相乗効果。

そういう重いラケットを彼女流のスイングで使いこなし、ライジングショットを見事に左右に放ち、
世界ランキング上位の選手とわたり合っているのだと思います。

伊達選手のサーブは、特別速くはないですが、ボールによく重さが乗っているように見えます。

少し話を広げると、パワー主流の現在の女子テニスにおいて、伊達選手のテニスは、
頭脳的戦術であり、技術を活かしたとても個性的なテニスといえるのではないでしょうか。

今回の一戦は、研究・分析に値する非常に貴重な試合として、
語り継がれていって良い試合ではないかと感じました。
東レ | 投稿者 そうだ全仏行こう 17:29 | コメント(0)| トラックバック(0)

シャラポワ の進化

シャラポワのリターンが、強烈さを増している!

先日行われた 『 東レ・パンパシフィックオープン 』 の決勝 ヤンコビッチ vs
シャラポワ の試合中継を昨日、あらためてじっくりと見ていて思いました。

             シャラポワ 東レ

フォア側でもバック側でも、セカンドサービス時に限らず、ファーストでも、
打てそうな球は全部、強打を狙っていく姿勢がみえます。

実は、『 USオープン 』 で旋風を起こしたウダン戦の時にも、それを感じて
いたのですが、あの時は、劣勢を跳ね返すため、あるいはウダンの勢いを
止めるために、あえて強打を選択しているのだろうと見ていました。

しかし、そうではなく、今後のテニスの武器の一つとして取り組んできている
ものを実践してみせた、ということだったのかもしれません。

ハードヒットはしていますが、ストロークの様に大きく振りかぶってはいなくて、
リターンの鉄則であるコンパクトな構えから打ち抜いているのが分かります。
また、自分の力だけで飛ばしているのではなく、ミートのタイミング、リズムを
上手く合わせることで、相手の球威も生かしてリターンのエネルギーを増幅
させているようです。

強烈なリターンは、相手には脅威になりますし、武器に出来れば勝率UPに
つながることでしょう。
しかし、打つ本人も強い心臓がないと打ち切れないでしょうね。迷いが生じれ
ば、ミスとして現れるでしょうし。

どの選手も皆、それぞれの個性を踏まえた上でプレーを進化させようと切磋
琢磨していると思いますが、シャラポワもまた、恵まれた身体、長いリーチ、
そして強心である事を生かせるものの一つとして 「 リターン 」 の強化を狙い、
さらなる進化を遂げようとしているのではないでしょうか。

私には、シャラポワのテニスは、ストロークを中心とした、とてもベーシックな
テニスに思えます。それを方向転換したり大きく変化させるのではなく、その
ベーシックな幹をより太く強固なものにしていく、そんな方法で彼女は成長を
続けているように感じます。

イバノビッチは不調、サフィーナは乱調で苦しむ中、ウォズニアッキなど成長
著しい選手の台頭が見られ、復帰したクライシュテルスが 『 USオープン 』
に優勝し、 『 全豪オープン 』 からは、エナンが復帰。
そんな混沌とした女子テニス界の中で、むしろこれから主軸となっていくべき
はシャラポワなのではないか、そんな気がしています。


                               画像は「365選手名鑑」より


東レ | 投稿者 そうだ全仏行こう 14:19 | コメント(0)| トラックバック(0)