2010年06月14日
ストリング感想 ⑦ トアルソン レンコン デビルスピン の評価
ストリング 感想 ⑦
ストリング ( ガット ) の 評価 ・ インプレッション の 7 回目です。
トアルソン デビルスピン
【 商品表記 】
「デビルスピン」という名の通り、いびつな 3つの凹凸 ( おうとつ ) が、しっかりととらえ、
大きな回転を生み出します。
【 素 材 】 高粘度ポリエステル + 中粘度ポリエステル
【 構 造 】 モノフィラメント
【 ゲージ 】 1.25 、 1.30
【オリジナル判定 最高は★5つ】
試行条件 : ストリングパターン 16×19。テンション 56。面サイズ 95。 ゲージは 130。
飛距離・・・・・・・・・★★★☆( 3.5 )
打球スピード・・・・★★★
スピン性・・・・・・・・★★★★
コントロール性・・・★★★
ソフト感・・・・・・・・・★★★
ホールド感・・・・・・★★★
( いずれもスウィートスポットにおける判定 )
●どうなんだ、デビルスピン!
どうなんだ、デビルスピン。
断面図が、スゴイ。名前が、スゴイ。
今まで見たことがないようなスピンを打てるんじゃないか?
そんな期待に胸が膨らみます。
構造は、モノフィラメントですから、真ん中一本の芯構造。この材質が、中粘度ポリ。
その芯の周りに3箇所、角 ( つの ) の様に飛び出している部分が、高粘度ポリ。
張り上がってみると、↓ こんな感じ。 実は、真っ黒ではないのです。
芯の部分がシルバーのようであり、グレーのようであり、白っぽくもあり・・・。
黒いラインが、角 ( つの ) 部分というわけです。
少し離れると、光の下では、全体的に メタリック ブラック の様にも見え、
これはこれで恰好良いかも、と感じました。
●デビルな一面を垣間見た
さて、名前と色から、打感が相当硬いんじゃないかと心配して、今回はテンションを
普段より2つほど下げて 56ポンドに。
しかし、実際に打ってみると、特に硬いということはなく、それよりむしろ、若干ながら
打感が重く感じられる事のほうが気になりました。
これは、角 ( つの ) が、ボールとの接触時に、ノーマル形状のストリングよりも、
摩擦力を大きくしているのが原因かもしれません。
スウィートスポットでボールをとらえると、そんな若干重めの手応えと食いつき感を得て
ボールを放ちます。
例えば、エクセルパワーの様なソフトな打感のストリングでしばらく打っていたあとに、
デビルスピンを張ったラケットで打つと、一度ガッツリというか、ガシッと球を噛み込むのを
ハッキリと感じられることでしょう。
この食いつき感は、やや長めに感じられるものの、長過ぎるという事はなく、
弾き系のストリングを好む方にも大きな影響はなさそうです。
ただ、やや飛び過ぎかと。
パッケージの表記を見ると、ゲージ 1.25 の反発力が 「 4.5 」。
ゲージ 1.30 の反発力が 「 4 」 とありますから、1.25 だと更に飛んでしまうかも
しれません。
そんな心配がありながら、実は、スウィートスポットを外すと、これが途端に全く飛ばない !
まるで別のストリングの様な、もう一つの顔を垣間見せます。これこそ デビルな一面かと・・・。
スウィートスポットとそれ以外の部分が、線を引いた様に、これほどクッキリと分かれるのを
感じてしまうストリングは初めてです。
外せば、ガツン、ボトッ・・・という感じです。
これは、特にフラットを主体とされている方に強く感じられるかと思います。
最大限、面を広く使って、面の上でボールを転がす様なスピンを主体とされている方は、
そこまで激しく感じずに済むかもしれません。
しかしそれでも、急な面作りが要求される場面、つまりは、ボレーであったり、
スマッシュであったり、相手の速い攻撃のストロークを受けたディフェンス場面などでは、
かなり難易度が高くなってしまうストリングに感じます。
スウィートスポットを外した場合には、全くアシストはありません。
・・・というより、即、ミスショットの可能性が急激に高まり、いきなり窮地に立たされます。
ひとことで言えば、シビア。
このストリングを選ぶかどうかの基準の一つは、そんなシビアさに目を伏せてでも
飛びつきたいような利点、つまりは、これまでのスピン系ストリングを大きく超える
激烈なスピンがかかるのか? という事になるかと思います。
●スピン × 推力 = ???
比較材料として、最も使い慣れているプロハリケーンツアーを出して考えてみたいと思います。
まず、純粋にスピンの回転量だけを見た場合、プロハリケーンツアーと同等程度に感じ、
超えているとは感じませんでした。
ただし、作り出せる回転量は同じでも、プロハリケーンツアーとの違いは、
ボールに推力が加わる、とでもいいましょうか、前半で触れた「 やや飛び過ぎ 」 感が、
実は、ボールに勢いを与える役目を担っていたりする様にも感じます。
同じく 「 やや重め 」 とした打球感についても、その打球が、相手にも 「 重め 」 に
伝わるなら占めたもの。
この辺りが、選択の分かれ目ではないでしょうか。
使い手の技量やタイプで、どちらがより自分のショットを引き立たせてくれるかは、
分かれそうです。
推力が加わるといっても、それは例えばパワーを十分に持っている人には、
時に、余計だったりもします。
ストロークやサービスで、ボール1個のオーバーにつながりかねません。
また、推力による勢いは、自分としては、ボールの回転量をやや奪ってしまっている感じも受け、
ストローク や スピンサーブ で、結果的に プロハリケーンツアー の回転量に及ばずに
地面に着地する → 結果、跳ね上がりの高さが出にくい という様にも
感じました ( ただし、ロブスピンにおいては、プロハリケーンツアーを上回る跳ね上がりを
しばしば見せてくれました )。
そんな事からも、技量やフォーム、ラケットワークなどで好みが分かれるかと思います。
●打ってるのは誰? と、探したくなっちゃう快音
最後に書き忘れちゃいけないことがありました。それは・・・
デビルスピンは、音がいい! ということです。
パッカーン! という中低域に伸びる快音がコートに響きわたります。
これは、気持ちがいいものです。
「 誰が打ってるんだろう? 」 なんて、ギャラリーが集まって来るかもしれません。
それはそれで、モチベーションアップにつながって、良いかもしれませんね。
● TOALSON ライブワイヤー 130 の感想・評価は、こちら。
● GOSEN ミクロスーパー 16 L の感想・評価は、こちら。
● Wilson スタミナスピン の感想・評価は、こちら。
● GOSEN パワーマスターⅠ の感想・評価は、こちら。
● BABOLAT プロハリケーンツアー の感想・評価は、こちら。
● BABOLAT エクセルパワー の感想・評価は、こちら。
ストリング ( ガット ) の 評価 ・ インプレッション の 7 回目です。
トアルソン デビルスピン
【 商品表記 】
「デビルスピン」という名の通り、いびつな 3つの凹凸 ( おうとつ ) が、しっかりととらえ、
大きな回転を生み出します。
【 素 材 】 高粘度ポリエステル + 中粘度ポリエステル
【 構 造 】 モノフィラメント
【 ゲージ 】 1.25 、 1.30
【オリジナル判定 最高は★5つ】
試行条件 : ストリングパターン 16×19。テンション 56。面サイズ 95。 ゲージは 130。
飛距離・・・・・・・・・★★★☆( 3.5 )
打球スピード・・・・★★★
スピン性・・・・・・・・★★★★
コントロール性・・・★★★
ソフト感・・・・・・・・・★★★
ホールド感・・・・・・★★★
( いずれもスウィートスポットにおける判定 )
●どうなんだ、デビルスピン!
どうなんだ、デビルスピン。
断面図が、スゴイ。名前が、スゴイ。
今まで見たことがないようなスピンを打てるんじゃないか?
そんな期待に胸が膨らみます。
構造は、モノフィラメントですから、真ん中一本の芯構造。この材質が、中粘度ポリ。
その芯の周りに3箇所、角 ( つの ) の様に飛び出している部分が、高粘度ポリ。
張り上がってみると、↓ こんな感じ。 実は、真っ黒ではないのです。
芯の部分がシルバーのようであり、グレーのようであり、白っぽくもあり・・・。
黒いラインが、角 ( つの ) 部分というわけです。
少し離れると、光の下では、全体的に メタリック ブラック の様にも見え、
これはこれで恰好良いかも、と感じました。
●デビルな一面を垣間見た
さて、名前と色から、打感が相当硬いんじゃないかと心配して、今回はテンションを
普段より2つほど下げて 56ポンドに。
しかし、実際に打ってみると、特に硬いということはなく、それよりむしろ、若干ながら
打感が重く感じられる事のほうが気になりました。
これは、角 ( つの ) が、ボールとの接触時に、ノーマル形状のストリングよりも、
摩擦力を大きくしているのが原因かもしれません。
スウィートスポットでボールをとらえると、そんな若干重めの手応えと食いつき感を得て
ボールを放ちます。
例えば、エクセルパワーの様なソフトな打感のストリングでしばらく打っていたあとに、
デビルスピンを張ったラケットで打つと、一度ガッツリというか、ガシッと球を噛み込むのを
ハッキリと感じられることでしょう。
この食いつき感は、やや長めに感じられるものの、長過ぎるという事はなく、
弾き系のストリングを好む方にも大きな影響はなさそうです。
ただ、やや飛び過ぎかと。
パッケージの表記を見ると、ゲージ 1.25 の反発力が 「 4.5 」。
ゲージ 1.30 の反発力が 「 4 」 とありますから、1.25 だと更に飛んでしまうかも
しれません。
そんな心配がありながら、実は、スウィートスポットを外すと、これが途端に全く飛ばない !
まるで別のストリングの様な、もう一つの顔を垣間見せます。これこそ デビルな一面かと・・・。
スウィートスポットとそれ以外の部分が、線を引いた様に、これほどクッキリと分かれるのを
感じてしまうストリングは初めてです。
外せば、ガツン、ボトッ・・・という感じです。
これは、特にフラットを主体とされている方に強く感じられるかと思います。
最大限、面を広く使って、面の上でボールを転がす様なスピンを主体とされている方は、
そこまで激しく感じずに済むかもしれません。
しかしそれでも、急な面作りが要求される場面、つまりは、ボレーであったり、
スマッシュであったり、相手の速い攻撃のストロークを受けたディフェンス場面などでは、
かなり難易度が高くなってしまうストリングに感じます。
スウィートスポットを外した場合には、全くアシストはありません。
・・・というより、即、ミスショットの可能性が急激に高まり、いきなり窮地に立たされます。
ひとことで言えば、シビア。
このストリングを選ぶかどうかの基準の一つは、そんなシビアさに目を伏せてでも
飛びつきたいような利点、つまりは、これまでのスピン系ストリングを大きく超える
激烈なスピンがかかるのか? という事になるかと思います。
●スピン × 推力 = ???
比較材料として、最も使い慣れているプロハリケーンツアーを出して考えてみたいと思います。
まず、純粋にスピンの回転量だけを見た場合、プロハリケーンツアーと同等程度に感じ、
超えているとは感じませんでした。
ただし、作り出せる回転量は同じでも、プロハリケーンツアーとの違いは、
ボールに推力が加わる、とでもいいましょうか、前半で触れた「 やや飛び過ぎ 」 感が、
実は、ボールに勢いを与える役目を担っていたりする様にも感じます。
同じく 「 やや重め 」 とした打球感についても、その打球が、相手にも 「 重め 」 に
伝わるなら占めたもの。
この辺りが、選択の分かれ目ではないでしょうか。
使い手の技量やタイプで、どちらがより自分のショットを引き立たせてくれるかは、
分かれそうです。
推力が加わるといっても、それは例えばパワーを十分に持っている人には、
時に、余計だったりもします。
ストロークやサービスで、ボール1個のオーバーにつながりかねません。
また、推力による勢いは、自分としては、ボールの回転量をやや奪ってしまっている感じも受け、
ストローク や スピンサーブ で、結果的に プロハリケーンツアー の回転量に及ばずに
地面に着地する → 結果、跳ね上がりの高さが出にくい という様にも
感じました ( ただし、ロブスピンにおいては、プロハリケーンツアーを上回る跳ね上がりを
しばしば見せてくれました )。
そんな事からも、技量やフォーム、ラケットワークなどで好みが分かれるかと思います。
●打ってるのは誰? と、探したくなっちゃう快音
最後に書き忘れちゃいけないことがありました。それは・・・
デビルスピンは、音がいい! ということです。
パッカーン! という中低域に伸びる快音がコートに響きわたります。
これは、気持ちがいいものです。
「 誰が打ってるんだろう? 」 なんて、ギャラリーが集まって来るかもしれません。
それはそれで、モチベーションアップにつながって、良いかもしれませんね。
● TOALSON ライブワイヤー 130 の感想・評価は、こちら。
● GOSEN ミクロスーパー 16 L の感想・評価は、こちら。
● Wilson スタミナスピン の感想・評価は、こちら。
● GOSEN パワーマスターⅠ の感想・評価は、こちら。
● BABOLAT プロハリケーンツアー の感想・評価は、こちら。
● BABOLAT エクセルパワー の感想・評価は、こちら。