2009年12月08日
ピュアストームリミテッドGT 試打 評価 インプレッション
ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ④
BABOLAT
ピュアストーム リミテッド GT
スペック
●フェイス:95平方インチ ●重さ:320g(±7g) ●バランス305㎜(±7mm)
●ストリング:18×20本 ●グリップサイズ:2・3・4 ●フレーム厚:19㎜
※ストリングは、バボラ エクセルパワー 130 を 58ポンドで張り上げ
撮影ラケットは、ナチュラルグリップ ( タン ) の上に白いグリップテープを巻いています
●前作のピュアストームリミテッドは・・・
今回のラケットを語る上で、まず触れておかなければならないのが、前作の ピュアストーム リミテッド。
ボックス形状 19mm のフレーム厚と、他のラケットでは意外にない 305mm というパランス
ポイントが、320gの重量を全く感じさせない振り抜き感とスイングスピードを生み、ボールを
くわえ込み過ぎずに弾き出す乾いた打感から驚異的なスピードボールを打ち放つことが出来た、
他に類を見ないラケットでした。
打感がボヤケることなく、自分で打っている感覚もしっかり感じ取ることができるので、ウイナーも
ミスも、自分の腕に、肘に、指先に、ダイレクトに伝わってくるラケットでした。
そんな、私の好みにズバリ ! のフィーリングにも関わらず、ただ一点、個人的に受け入れ難かったのは、黄土色をアクセントにしたフレームデザインでした。
●デザイン一新、これなら・・・
そんな思いを知ってから知らずか ( 知るわけない )、今作のピュアストーム リミテッド GT は、
カラーリングを一新!
色の不満は一瞬解消されたか?・・・に思えましたが、これ、2008年の9月に発売されたアエロ
ストーム、およびその後に発売された軽量版のアエロストーム 300 と非常によく似た配色なんですよね。アエロストーム使用者には、不満じゃないかと・・・。
一方、ピュアコントロールからの、重厚感と強さを合わせ持った黒と赤を基調とした配色に馴染み
と愛着をもっている方には、「 派手過ぎだろ 」 ということになりそうで・・・。
ハッキリ区分けした別路線を示すカラーリングにしてほしかった気もします。
さて、肝心の使用感に話を移していきますが、今回は、以前取り上げたピュアドライブ ロディック GT 同様、GTテクノロジー ( カーボン繊維にタングステン糸を織り込んだ技術 ) を搭載しての
進化となります。
●後継? 進化版? いや全く別のラケット
実際の打感はというと、前作と比較してボールを弾かなくなってしまったというのが第一印象。
ボールが粘っこく吸い付き過ぎるのです。
前作では、ラケットからボールが飛び出していたタイミングなのに、まだ面にボールが接触しているので、同じ打ち方ではボールを引っ張ってしまいます。
フォアストロークで正面に打ったつもりが、食いついてるために、左へ引っ張ってしまう、そういう
感覚です。
食いつきを好む方には、すんなり扱えるのかもしれませんが、ボールがラケットに長くとどまるのを嫌う私には、慣れるのに時間がかかりました。
また、材質の違いの影響からでしょうか、前作では シュンッ とラケットが回った 「 振り抜きの良さ 」 が、あまり感じられません。
使用ラケットを正式に計測した結果、重量とバランスポイントは、ほぼスペック通りですから、たまたま重く感じるラケットを手にしたわけではなさそうです。
また、GTテクノロジーの謳い文句である、フェイス部のねじれ抑制、面安定性と強靭なフレームの
剛性については、ピュアドライブGTほどハッキリと感じることはできませんでした。
むしろ前作のほうが、スイングや打感に重さは感じないのに、よくぞ面安定性を保っていたものだと、今更ながら感心。
ボレーは、95インチだからではなく、前作より取り回し感が重くなったために、やり易いとはいえなくなったと感じました。
総合的に判断して、これはもう、後継機種でもないし、進化版とも違う、前作とは別のラケットと捉えたほうが良いように感じました。
デザインが変わったので、待ってましたと試打をせずに飛びつくと、前作とのフィーリングの違いに驚いてしまうかもしれません。
●そうだったのか! 黄土色リミテッドの謎が解けた!?
ここまで書いてきて、ふと気付いた事があります。
それは、今回のピュアストームリミテッドGTは、前作リミテッドではなく、ピュアコントロールを継いだ前作のピュアストームツアーと味付けが非常に似ているという事です。
考えてみれば、前作のリミテッドは、「 ストーム 」 という名を持ちながら、打感をはじめストーム
ツアーおよびストームとは全く異種のラケットとして仕上がっていたからこそ、黄土色を使ったカラーリングだったのではないでしょうか。
今回、ストームリミテッド、ストームツアー、ストームの3本のカラーが統一されたのは、リミテッドを名実共にストーム枠の中に押し込めた ( 推察に過ぎませんが )ことの証と判断したほうが、正しいラケット選択ができるのではないかと思うのです。
●体力・筋力ありのフラット系ストローカー向け
まとめですが、ラケットにある程度の弾きを求めている方には、合わせるのに少し苦労するかもしれません。
ただ、3ヶ月以上使い込めば、徐々に良さを引き出し始めることができるのではないでしょうか。
逆に、ある程度、吸い付くのが好みの方や、ラケットでいったんボールを捉えたのを感じて打ちたい方には、その手のラケットからの移行はスムーズかもしれません。
ただし、95インチを使い慣れていて、315g以上を繰り返し最後まで振り切る技量と体力をお持ちの方、という条件は付きそうです。
また、ストームツアーおよび ストームツアーGT をお使いの方で、少しばかり98インチという面のサイズが大きいと感じ始めている方には、95インチであるリミテッドはうってつけといえそうです。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ①
バボラ ピュアドライブ・ロディック GT の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ②
ヨネックス RDiS 100 MP の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ③
ヘッド ユーテック スピード MP 16×19 の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑤
バボラ アエロストーム の試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑥
ヨネックス RDIS 200 の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑦
バボラ アエロプロドライブ GT の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください。
BABOLAT
ピュアストーム リミテッド GT
スペック
●フェイス:95平方インチ ●重さ:320g(±7g) ●バランス305㎜(±7mm)
●ストリング:18×20本 ●グリップサイズ:2・3・4 ●フレーム厚:19㎜
※ストリングは、バボラ エクセルパワー 130 を 58ポンドで張り上げ
撮影ラケットは、ナチュラルグリップ ( タン ) の上に白いグリップテープを巻いています
●前作のピュアストームリミテッドは・・・
今回のラケットを語る上で、まず触れておかなければならないのが、前作の ピュアストーム リミテッド。
ボックス形状 19mm のフレーム厚と、他のラケットでは意外にない 305mm というパランス
ポイントが、320gの重量を全く感じさせない振り抜き感とスイングスピードを生み、ボールを
くわえ込み過ぎずに弾き出す乾いた打感から驚異的なスピードボールを打ち放つことが出来た、
他に類を見ないラケットでした。
打感がボヤケることなく、自分で打っている感覚もしっかり感じ取ることができるので、ウイナーも
ミスも、自分の腕に、肘に、指先に、ダイレクトに伝わってくるラケットでした。
そんな、私の好みにズバリ ! のフィーリングにも関わらず、ただ一点、個人的に受け入れ難かったのは、黄土色をアクセントにしたフレームデザインでした。
●デザイン一新、これなら・・・
そんな思いを知ってから知らずか ( 知るわけない )、今作のピュアストーム リミテッド GT は、
カラーリングを一新!
色の不満は一瞬解消されたか?・・・に思えましたが、これ、2008年の9月に発売されたアエロ
ストーム、およびその後に発売された軽量版のアエロストーム 300 と非常によく似た配色なんですよね。アエロストーム使用者には、不満じゃないかと・・・。
一方、ピュアコントロールからの、重厚感と強さを合わせ持った黒と赤を基調とした配色に馴染み
と愛着をもっている方には、「 派手過ぎだろ 」 ということになりそうで・・・。
ハッキリ区分けした別路線を示すカラーリングにしてほしかった気もします。
さて、肝心の使用感に話を移していきますが、今回は、以前取り上げたピュアドライブ ロディック GT 同様、GTテクノロジー ( カーボン繊維にタングステン糸を織り込んだ技術 ) を搭載しての
進化となります。
●後継? 進化版? いや全く別のラケット
実際の打感はというと、前作と比較してボールを弾かなくなってしまったというのが第一印象。
ボールが粘っこく吸い付き過ぎるのです。
前作では、ラケットからボールが飛び出していたタイミングなのに、まだ面にボールが接触しているので、同じ打ち方ではボールを引っ張ってしまいます。
フォアストロークで正面に打ったつもりが、食いついてるために、左へ引っ張ってしまう、そういう
感覚です。
食いつきを好む方には、すんなり扱えるのかもしれませんが、ボールがラケットに長くとどまるのを嫌う私には、慣れるのに時間がかかりました。
また、材質の違いの影響からでしょうか、前作では シュンッ とラケットが回った 「 振り抜きの良さ 」 が、あまり感じられません。
使用ラケットを正式に計測した結果、重量とバランスポイントは、ほぼスペック通りですから、たまたま重く感じるラケットを手にしたわけではなさそうです。
また、GTテクノロジーの謳い文句である、フェイス部のねじれ抑制、面安定性と強靭なフレームの
剛性については、ピュアドライブGTほどハッキリと感じることはできませんでした。
むしろ前作のほうが、スイングや打感に重さは感じないのに、よくぞ面安定性を保っていたものだと、今更ながら感心。
ボレーは、95インチだからではなく、前作より取り回し感が重くなったために、やり易いとはいえなくなったと感じました。
総合的に判断して、これはもう、後継機種でもないし、進化版とも違う、前作とは別のラケットと捉えたほうが良いように感じました。
デザインが変わったので、待ってましたと試打をせずに飛びつくと、前作とのフィーリングの違いに驚いてしまうかもしれません。
●そうだったのか! 黄土色リミテッドの謎が解けた!?
ここまで書いてきて、ふと気付いた事があります。
それは、今回のピュアストームリミテッドGTは、前作リミテッドではなく、ピュアコントロールを継いだ前作のピュアストームツアーと味付けが非常に似ているという事です。
考えてみれば、前作のリミテッドは、「 ストーム 」 という名を持ちながら、打感をはじめストーム
ツアーおよびストームとは全く異種のラケットとして仕上がっていたからこそ、黄土色を使ったカラーリングだったのではないでしょうか。
今回、ストームリミテッド、ストームツアー、ストームの3本のカラーが統一されたのは、リミテッドを名実共にストーム枠の中に押し込めた ( 推察に過ぎませんが )ことの証と判断したほうが、正しいラケット選択ができるのではないかと思うのです。
●体力・筋力ありのフラット系ストローカー向け
まとめですが、ラケットにある程度の弾きを求めている方には、合わせるのに少し苦労するかもしれません。
ただ、3ヶ月以上使い込めば、徐々に良さを引き出し始めることができるのではないでしょうか。
逆に、ある程度、吸い付くのが好みの方や、ラケットでいったんボールを捉えたのを感じて打ちたい方には、その手のラケットからの移行はスムーズかもしれません。
ただし、95インチを使い慣れていて、315g以上を繰り返し最後まで振り切る技量と体力をお持ちの方、という条件は付きそうです。
また、ストームツアーおよび ストームツアーGT をお使いの方で、少しばかり98インチという面のサイズが大きいと感じ始めている方には、95インチであるリミテッドはうってつけといえそうです。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ①
バボラ ピュアドライブ・ロディック GT の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ②
ヨネックス RDiS 100 MP の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ③
ヘッド ユーテック スピード MP 16×19 の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑤
バボラ アエロストーム の試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑥
ヨネックス RDIS 200 の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください 。
★ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑦
バボラ アエロプロドライブ GT の 試打・インプレッションは こちらをご覧ください。