2010年11月02日
EZONE (Eゾーン) 試打 評価 インプレッション
ラケット 試打 感想 評価 インプレッション シリーズ ⑧
ヨネックス EZONE ( Eゾーン )インプレ ~100インチ~
YONEX EZONE 100inch
スペック
●フェイス : 100平方インチ ●重さ : 平均 300g、
●バランス : 平均320mm ●ストリング : 16×18本
●グリップサイズ : 1・2・3 ●フレーム厚 : 23~26.5㎜
イバノビッチ、森田あゆみ、マルチナ・ヒンギスらが使用を開始しているヨネックスの新作、
EZONE ( イーゾーン )。
わざと狙ったのか、黒いボディ。
エナメルブラックということですが、特にエナメルということでの特殊なボディカラー
という印象は、私は受けませんでした。
好みによって感じ方は違うと思いますが、個人的には、まぁなんとも地味なコスメ
だなぁ・・・、と。
同じブラックでも、漆をイメージさせる様な黒( 漆黒 ) だったら、独特の世界観が
出たかも。
もしくは、シルバーの部分が、ゴールドだったら良かったのに。
それともうひとつ気になることが・・・。
面が四角い。今までのラケットより、更に露骨に四角く見えます。
真正面からマジマジと見ると、もはや、従来の通常ラケットのフレーム形状から逸脱して
いるといっても過言ではないくらいに角ばっている印象を持ちます。
そんなわけで、カラーリング、形状ともに、個人的には絶対に “ ない ” ラケット。
◆ヨネックスが、またいいラケット作ったなー!! と
ところが、なのです。
そのくらいマイナス印象で、「 間違ってもこのラケットを使うことにはなるまい 」 と手にした
ハズなのに、使ってみたら、これはスゴイ。これはイイ。
何がスゴくてイイのかというと、
まず 「 安定感 」。続いて 「 コントロール性能 」、そして 「 球種の自在性 」。
これらは、EZONE 100 を使うことで得られる圧倒的なアドバンテージ。
◆クセのないスウィング感
ウエイト 300g に、バランス320g。数値からトップヘビー気味かと思っていたら、そうでは
ありませんでした。
スウィングしてみると、ちょうど、回転の中心に軸があるような感じで、トップヘビーでもトップ
ライトでもない、重くも軽くもない感じでラケットが回ります。
これまで、特別重いラケットや、特別トップヘビーに調整したラケットをお使いでなければ、
違和感なく振れるのではないでしょうか。
◆オフショットのフォローで、ラリーが続く、続く
さて、同等レベルの人とのラリー練習を始めてしばらくすると、ミスヒットしてネットを超えずに
落ちた球が、全て相手側のコートに転がっている状態になりました。
つまり、こちらはミスせず、相手がミスを重ねたのです。
こちらも難しい球や、苦しい球を打たれてはいるのですが、オフショットで返らず、という事が
なかったのです。
まじまじとラケットを見つめて思ったことは、スウィートスポットの拡大、もしくは、かつてない
フレーム剛性による、オフショットをオフショットにさせない面安定性。
この安定性は、イコール安心感につながる特筆性能。
よほど面の先っぽで、振り遅れて当たったような場合でなければ、ビ~ン! という嫌な振動は
ありません。
これ、実は、オーバーヘッド気味のボールをスマッシュする状況でも力を貸してくれます。
通常、変な角度に弾かれてしまいそうなところをなんとかコート内に押し込められるんです。
私にとっては、この部分が、イバノビッチが言うように It's a Magic! 心強いです。
こうしたオフショットのフォローは、芯でとらえるのが難しいショートバウンドや、ライジングで
とらえる際にも効力を発揮。
加えて、高い面安定性から、片手バックでの安心感もグッと高まります。
片手バックハンドの方は、是非一度試してみていただきたいところです。
◆ストリングの個性を感じさせてくれる打感
また、打感は、食いつき過ぎず、瞬間、しっかりボールをくわえてはいるんだけれど、
ほど良く弾き出す、そのバランスが、クセのない仕上がりになっています。
そして、EZONEには、RDiS 200 の時に感じた、カスッ というか、
ガスッ というか、フレームの中身の密度が不足しているような感じはありません。
特に気持ちよい打感でも、不快な打感でもなく、あまり意識しないで済む打感とでもいい
ましょうか、打った感覚があり過ぎるわけでもなさ過ぎるわけでもない。
程良い主張の打感は、本来ストリングが持っている打感をしっかり反映することができる、
言い換えれば、個々のストリングの個性や打球感を繊細に感じることができるので、
ストリング通にはたまらないラケットといえるかもしれません。
これは、高弾性カーボン + X-フラーレンを素材としたフレームに、テニス業界では初となる
振動吸収材 ネオフェードを採用したことよるのかもしれません。
( 素材の詳細は、YONEXのホームページなどをご覧ください )
◆裏打ちされたコントロール性能
長方形の面形状から、なんとなくフラットで引っぱたくの専用、みたいに感じてしまうのですが、
どっこい高く跳ね上げる高い弾道のスビンも、回転量を少し抑えたスピンも思いのまま。
相手のバック側に深く高い弾道で打ちたい、浅いアングルのあそこへ丁寧に打ち込みたい・・・、
球種だけでなく、ボールを落とし込む位置まで、ピンポイントに反映させることが可能。
それはすなわち、自分の気持ちがアバウトにならなくて済むということにもなります。
一か八か、だとか、あの辺りに落ちてくれ~的な、ともすると雑にもなりかねないテニスを抑制
してくれる効力さえ、EZONEは持っているように思えます。
オーバーでしょうか?
いいえ。フラット、スピン、スライスをボールの回転量の増減にいたるまで
掌握して打てる 「 球種の自在性 」 と、ピンポイントで狙えるコントロール性能。
ここまで自分の思いを反映してくれる、思い通りの打球を送り出してくれるラケットは、
ほかには、そう類を見ないように思います。
このところのストリングパターンの主流が、16×19、18×20の中にあって、あえて16×18
というところに、角ばった面形状と相俟って、緻密な計算と根拠に基づいたヨネックスの自信を
垣間見るような思いです。
◆オフェンスもディフェンスも自信が持てる一本
以前の記事で取り上げたピュアドライブのディフェンス性能ってスゴイものがあると思うんです。
攻められるほどに本領を発揮する、みたいな。
ただし、パワーのある方が使うと、あるいはスウィング軌道を誤ると、途端にオーバーし易い
不安があるのも事実だと思うのです。
したがって、オフェンスの場面では、かなり気を使います。
しかし、EZONEの場合は、オフェンスの場面で、「 気をつけないとヤバイ! 」 という、一瞬の
不安がよぎることは、ほとんど皆無。
したがって、スッと、流れを中断せずに攻撃球を打ち込んでいけます。
ピュアドライブとフレーム厚はほぼ同じ、けして薄ラケではないのに、飛び過ぎの不安を感じずに
ハードヒットも思いのままです。
また、ピュアドライブの、極言すれば当てるだけで返ってくれるまでのディフェンス力には及び
ませんが、バランスを崩しながらも、狙いの位置へ返球できる性能は、ピュアドライブにも劣ら
ない魅力として加えることができるでしょう。
しかし、そうしたことから逆に、ピュアドライブ同様、EZONEを使い慣れたあとで、シビアな
ラケットに戻すと、少なからず影響がありそうです。
そういう意味で、真にラケット操作の技術が向上するかといえば、少し疑問。
助けてくれる部分があるだけに、助けてくれないラケットを使用することで磨ける技術が身につき
づらい心配はあります。
ただ、それなりに技術は持っていて、試合で組み立てを考えながらプレーに反映できるレベルの
方なら、きっとラケットの恩恵を感じながらも、自分に足りない技術を分析して練磨できるでしょう
から、そんな心配は無用かもしれませんね。
そういう方にとっては、間違いなく、勝率を上げるのに力を貸してくれるラケットだと思われます。
ヨネックス EZONE ( Eゾーン )インプレ ~100インチ~
YONEX EZONE 100inch
スペック
●フェイス : 100平方インチ ●重さ : 平均 300g、
●バランス : 平均320mm ●ストリング : 16×18本
●グリップサイズ : 1・2・3 ●フレーム厚 : 23~26.5㎜
イバノビッチ、森田あゆみ、マルチナ・ヒンギスらが使用を開始しているヨネックスの新作、
EZONE ( イーゾーン )。
わざと狙ったのか、黒いボディ。
エナメルブラックということですが、特にエナメルということでの特殊なボディカラー
という印象は、私は受けませんでした。
好みによって感じ方は違うと思いますが、個人的には、まぁなんとも地味なコスメ
だなぁ・・・、と。
同じブラックでも、漆をイメージさせる様な黒( 漆黒 ) だったら、独特の世界観が
出たかも。
もしくは、シルバーの部分が、ゴールドだったら良かったのに。
それともうひとつ気になることが・・・。
面が四角い。今までのラケットより、更に露骨に四角く見えます。
真正面からマジマジと見ると、もはや、従来の通常ラケットのフレーム形状から逸脱して
いるといっても過言ではないくらいに角ばっている印象を持ちます。
そんなわけで、カラーリング、形状ともに、個人的には絶対に “ ない ” ラケット。
◆ヨネックスが、またいいラケット作ったなー!! と
ところが、なのです。
そのくらいマイナス印象で、「 間違ってもこのラケットを使うことにはなるまい 」 と手にした
ハズなのに、使ってみたら、これはスゴイ。これはイイ。
何がスゴくてイイのかというと、
まず 「 安定感 」。続いて 「 コントロール性能 」、そして 「 球種の自在性 」。
これらは、EZONE 100 を使うことで得られる圧倒的なアドバンテージ。
◆クセのないスウィング感
ウエイト 300g に、バランス320g。数値からトップヘビー気味かと思っていたら、そうでは
ありませんでした。
スウィングしてみると、ちょうど、回転の中心に軸があるような感じで、トップヘビーでもトップ
ライトでもない、重くも軽くもない感じでラケットが回ります。
これまで、特別重いラケットや、特別トップヘビーに調整したラケットをお使いでなければ、
違和感なく振れるのではないでしょうか。
◆オフショットのフォローで、ラリーが続く、続く
さて、同等レベルの人とのラリー練習を始めてしばらくすると、ミスヒットしてネットを超えずに
落ちた球が、全て相手側のコートに転がっている状態になりました。
つまり、こちらはミスせず、相手がミスを重ねたのです。
こちらも難しい球や、苦しい球を打たれてはいるのですが、オフショットで返らず、という事が
なかったのです。
まじまじとラケットを見つめて思ったことは、スウィートスポットの拡大、もしくは、かつてない
フレーム剛性による、オフショットをオフショットにさせない面安定性。
この安定性は、イコール安心感につながる特筆性能。
よほど面の先っぽで、振り遅れて当たったような場合でなければ、ビ~ン! という嫌な振動は
ありません。
これ、実は、オーバーヘッド気味のボールをスマッシュする状況でも力を貸してくれます。
通常、変な角度に弾かれてしまいそうなところをなんとかコート内に押し込められるんです。
私にとっては、この部分が、イバノビッチが言うように It's a Magic! 心強いです。
こうしたオフショットのフォローは、芯でとらえるのが難しいショートバウンドや、ライジングで
とらえる際にも効力を発揮。
加えて、高い面安定性から、片手バックでの安心感もグッと高まります。
片手バックハンドの方は、是非一度試してみていただきたいところです。
◆ストリングの個性を感じさせてくれる打感
また、打感は、食いつき過ぎず、瞬間、しっかりボールをくわえてはいるんだけれど、
ほど良く弾き出す、そのバランスが、クセのない仕上がりになっています。
そして、EZONEには、RDiS 200 の時に感じた、カスッ というか、
ガスッ というか、フレームの中身の密度が不足しているような感じはありません。
特に気持ちよい打感でも、不快な打感でもなく、あまり意識しないで済む打感とでもいい
ましょうか、打った感覚があり過ぎるわけでもなさ過ぎるわけでもない。
程良い主張の打感は、本来ストリングが持っている打感をしっかり反映することができる、
言い換えれば、個々のストリングの個性や打球感を繊細に感じることができるので、
ストリング通にはたまらないラケットといえるかもしれません。
これは、高弾性カーボン + X-フラーレンを素材としたフレームに、テニス業界では初となる
振動吸収材 ネオフェードを採用したことよるのかもしれません。
( 素材の詳細は、YONEXのホームページなどをご覧ください )
◆裏打ちされたコントロール性能
長方形の面形状から、なんとなくフラットで引っぱたくの専用、みたいに感じてしまうのですが、
どっこい高く跳ね上げる高い弾道のスビンも、回転量を少し抑えたスピンも思いのまま。
相手のバック側に深く高い弾道で打ちたい、浅いアングルのあそこへ丁寧に打ち込みたい・・・、
球種だけでなく、ボールを落とし込む位置まで、ピンポイントに反映させることが可能。
それはすなわち、自分の気持ちがアバウトにならなくて済むということにもなります。
一か八か、だとか、あの辺りに落ちてくれ~的な、ともすると雑にもなりかねないテニスを抑制
してくれる効力さえ、EZONEは持っているように思えます。
オーバーでしょうか?
いいえ。フラット、スピン、スライスをボールの回転量の増減にいたるまで
掌握して打てる 「 球種の自在性 」 と、ピンポイントで狙えるコントロール性能。
ここまで自分の思いを反映してくれる、思い通りの打球を送り出してくれるラケットは、
ほかには、そう類を見ないように思います。
このところのストリングパターンの主流が、16×19、18×20の中にあって、あえて16×18
というところに、角ばった面形状と相俟って、緻密な計算と根拠に基づいたヨネックスの自信を
垣間見るような思いです。
◆オフェンスもディフェンスも自信が持てる一本
以前の記事で取り上げたピュアドライブのディフェンス性能ってスゴイものがあると思うんです。
攻められるほどに本領を発揮する、みたいな。
ただし、パワーのある方が使うと、あるいはスウィング軌道を誤ると、途端にオーバーし易い
不安があるのも事実だと思うのです。
したがって、オフェンスの場面では、かなり気を使います。
しかし、EZONEの場合は、オフェンスの場面で、「 気をつけないとヤバイ! 」 という、一瞬の
不安がよぎることは、ほとんど皆無。
したがって、スッと、流れを中断せずに攻撃球を打ち込んでいけます。
ピュアドライブとフレーム厚はほぼ同じ、けして薄ラケではないのに、飛び過ぎの不安を感じずに
ハードヒットも思いのままです。
また、ピュアドライブの、極言すれば当てるだけで返ってくれるまでのディフェンス力には及び
ませんが、バランスを崩しながらも、狙いの位置へ返球できる性能は、ピュアドライブにも劣ら
ない魅力として加えることができるでしょう。
しかし、そうしたことから逆に、ピュアドライブ同様、EZONEを使い慣れたあとで、シビアな
ラケットに戻すと、少なからず影響がありそうです。
そういう意味で、真にラケット操作の技術が向上するかといえば、少し疑問。
助けてくれる部分があるだけに、助けてくれないラケットを使用することで磨ける技術が身につき
づらい心配はあります。
ただ、それなりに技術は持っていて、試合で組み立てを考えながらプレーに反映できるレベルの
方なら、きっとラケットの恩恵を感じながらも、自分に足りない技術を分析して練磨できるでしょう
から、そんな心配は無用かもしれませんね。
そういう方にとっては、間違いなく、勝率を上げるのに力を貸してくれるラケットだと思われます。