2009年07月30日
コワイ話 ?
暑いので、ヒンヤリするように今回は、稲川淳二風の語り口でお届け・・・
東京の、ある会社に勤めている、仮に全仏さんとしておきましょうか。ごく普通のサラリーマンがいましてねぇ。会社から1時間位の所に1人で暮らししてる。
彼、学生時代は陸上やっていて、ここで結構な量の走りこみをしていたんだ。息があがってからのスパートとかダッシュとかもバンバンやっていた。
そういう意味では、しごかれるとか、自分の体を追い込むとかいうのをむしろ喜んでやるような所があったんだなー。
そんな彼が、3年位前に何かのきっかけでテニスを始めた。これがスパーンとはまって、熱心にやり始めた。レッスンなんかも週1回から2回、3回と増やしていった。
もともと学生時代は、陸上で追い込んでたものだから、テニスもやり過ぎなくらいに追い込む傾向がある。
オーバーワークってやつですねぇ。えぇ。
そうすると、当然ケガも多い。ヒザを痛めたり、ヒジに痛みが出たり、手首を痛めたり。その度に、休んで治してはまた練習っていうのを繰り返してたんだ。
そうこうしているうちに、今度はアキレス腱を痛めて、また少しテニスができなくなった。
彼、根本は楽天的なんで、ケガしたらしたで何か他の事をやろうって、昔買った外国語会話の本を引っ張り出してみたり、友人と会って食事したり、部屋の模様替えをしたりしてた。
仕事以外はテニス優先みたいな生活をしているものだから、ケガして休んでいる時に、普段できない事をやろうとする。
で、聴きたいな、と思っていたCDなんかも、この機会に買っちゃおうと思い立った。
足を痛めててお店に行くのもちょっとな、しんどいな、っていうんでネットでチェックして、あるサイトで購入をした。
夕方3時半頃に注文したんで、まぁ3~4日後位には届くのかな、なぁんてぼんやり思って一旦忘れたんですよ。えぇ。
夜になって、普段と変わらない様子で布団に入った。
彼、めずらしいって言っちゃあおかしいけど、寝るのが早い。夜の11時前には、もう布団に入っちゃうんだ。
それを仲間やなんかはみんな知ってるんで、起こしちゃ悪いし、返事も来ないだろうからって、夜10時以降は誰も彼に電話とかメールとかしないのが通常になってるんだ、うん。
ところが、その日は深夜0時になろうって時に、ケータイの受信音が鳴った。
「ピロリン、ピロリン・・・」。電子音が鳴ってる。
不思議なもので、昼間は何てことないんだけど、夜も深くなってきて、寝静まってる頃に鳴り出すと、ちょっとゾクッとする様な気味悪さがありますよねー。固定電話なんかもそうなんだけど。
メールなり電話なり、来るのが分かってる場合はいいんだけど、そうじゃない場合ね。
来るはずがないのに鳴ったり、ブルブル震えたりするとねー。えぇ。
全仏さんのケータイもそうだった。
みんな気を回して、電話したりメールしたりしないのが暗黙の了解みたいになってる時間帯に、彼のケータイが、どこからかメールを受信してる・・・。
眠っていた彼も、まだ完全に深い眠りに入る前だったのか、音に気が付いた。
「 誰だよこんな時間に 」ってわけですよ。
寝ぼけ眼で彼、ケータイのフタを開けてみた。
「 Eメール 1 件 」
彼、しょぼしょぼした目で文面を見たんだ。すると、
「 ご注文の品を発送いたしました 」とある。
「 ご注文の品って何だよ。何も注文してないだろ」
全仏さん、目をこすりながら、つぶやいた。
そりゃぁ、そうですよねぇー、ご注文の品を発送ってことは、大抵、数日前かそれより以前に何か注文をして、それで連絡が来るもんで、彼はその頃に何か注文した記憶がないんだから。
今日の夕方、確かにCDを注文したけど、その連絡なら早くても2~3日後なわけですよ、ふつー。
それに、こんな真夜中に発送って、あり得ないだろうと。
何を発送したのか、メールの詳しい内容を見てやろうと、彼、文面をスクロールし始めたんだけれど、とにかく眠い。睡魔に負けて、もういいや明日確認すれば、と再び眠りについちゃった。
深夜1時、2時・・・と、夜が更けてった。
し~ん、とした静かな夜でねー。
一番コワイ時間帯ですよ、ねぇ。
でも、この夜は何も起きなかった。
全仏さん、翌朝起きてみると久し振りに天気がいい。これはチャンスと、洗濯やら布団干しやらベランダガーデニングの整備やら、次から次へとあわただしく動いてた。1人暮らしだからね。バタバタとやってたんだ、うん。
もう、深夜メールの事なんかすっかり忘れてた。
やれ床掃除だ、やれアイロンだ、とやってたら朝の9時半頃になって、ふいにケータイが鳴ったんだ。
「トゥルルルル!・・・」
今度はメールじゃなくて、誰かから電話がかかってきたっていう着信音。
あれ?この時間に誰だろう?と。
ケガしてるのを知ってるから、仲間がテニスの誘いで電話してくるはずがないんだ。
表示を見てみると、知らない番号が出てる。
彼、知らない番号からの電話は大抵出ないんだけど、その日はすがすがしい晴れだったし、朝の9時半という時間帯もあって警戒心も薄れてたのかな、電話に出ちゃった。
すると、
「宅配便ですが、お届け物があります。今、ロビーにいるんですが、お届けして大丈夫でしょうか」
そう言われて、はじめて昨夜のメールの事を思い出した。あぁ、夜中のあの件か?でも何を届けようってんだ?
不審に思ったけど下まで来てるっていうんだから、とりあえず対応しなくちゃと、上がって来る様に言った。
アイロンのスイッチがそのままになってたのを思い出して、一旦ケータイを置いてアイロンのある場所に戻ると間もなく
「 ピンポーン!」
ベルが鳴ったんで、前の晩のメール内容を確認する間もなく、扉を明けて中身が何だかわからないまま品物を受け取った。
大きさは、広げた手のひら大くらいで、重さはそれほど感じない。
何だろなー、変な物が入ってたりしないだろうなー、ってね。
彼、ちょっと不安になる。
何しろ数日前をいくらさかのぼってみても、何かを注文した覚えがないんだ。
背中にツーッと冷たいものを感じながら、何かヤダなー、と思いながら、半分好奇心もあったりして。
慎重にガムテープを剥がして、そぉ~っとフタを開けてみて、全仏さん一瞬言葉を失った。
1th 『SQUALL』 5th 『Pineapple』
3rd 『Silhouette』
入ってたのは、記憶に新しい、注文して間もないCD。
夕方3時半に注文して、翌朝9時半に手元に届いちゃうって、不思議な話があるもんですねぇ。えぇ。
ア●ゾンだそうですよ。
なぜか急に聴きたくなって、松田聖子 ’80~’82 夏系アルバム 大人買い。
ちっともコワくない話で、失礼しました。
東京の、ある会社に勤めている、仮に全仏さんとしておきましょうか。ごく普通のサラリーマンがいましてねぇ。会社から1時間位の所に1人で暮らししてる。
彼、学生時代は陸上やっていて、ここで結構な量の走りこみをしていたんだ。息があがってからのスパートとかダッシュとかもバンバンやっていた。
そういう意味では、しごかれるとか、自分の体を追い込むとかいうのをむしろ喜んでやるような所があったんだなー。
そんな彼が、3年位前に何かのきっかけでテニスを始めた。これがスパーンとはまって、熱心にやり始めた。レッスンなんかも週1回から2回、3回と増やしていった。
もともと学生時代は、陸上で追い込んでたものだから、テニスもやり過ぎなくらいに追い込む傾向がある。
オーバーワークってやつですねぇ。えぇ。
そうすると、当然ケガも多い。ヒザを痛めたり、ヒジに痛みが出たり、手首を痛めたり。その度に、休んで治してはまた練習っていうのを繰り返してたんだ。
そうこうしているうちに、今度はアキレス腱を痛めて、また少しテニスができなくなった。
彼、根本は楽天的なんで、ケガしたらしたで何か他の事をやろうって、昔買った外国語会話の本を引っ張り出してみたり、友人と会って食事したり、部屋の模様替えをしたりしてた。
仕事以外はテニス優先みたいな生活をしているものだから、ケガして休んでいる時に、普段できない事をやろうとする。
で、聴きたいな、と思っていたCDなんかも、この機会に買っちゃおうと思い立った。
足を痛めててお店に行くのもちょっとな、しんどいな、っていうんでネットでチェックして、あるサイトで購入をした。
夕方3時半頃に注文したんで、まぁ3~4日後位には届くのかな、なぁんてぼんやり思って一旦忘れたんですよ。えぇ。
夜になって、普段と変わらない様子で布団に入った。
彼、めずらしいって言っちゃあおかしいけど、寝るのが早い。夜の11時前には、もう布団に入っちゃうんだ。
それを仲間やなんかはみんな知ってるんで、起こしちゃ悪いし、返事も来ないだろうからって、夜10時以降は誰も彼に電話とかメールとかしないのが通常になってるんだ、うん。
ところが、その日は深夜0時になろうって時に、ケータイの受信音が鳴った。
「ピロリン、ピロリン・・・」。電子音が鳴ってる。
不思議なもので、昼間は何てことないんだけど、夜も深くなってきて、寝静まってる頃に鳴り出すと、ちょっとゾクッとする様な気味悪さがありますよねー。固定電話なんかもそうなんだけど。
メールなり電話なり、来るのが分かってる場合はいいんだけど、そうじゃない場合ね。
来るはずがないのに鳴ったり、ブルブル震えたりするとねー。えぇ。
全仏さんのケータイもそうだった。
みんな気を回して、電話したりメールしたりしないのが暗黙の了解みたいになってる時間帯に、彼のケータイが、どこからかメールを受信してる・・・。
眠っていた彼も、まだ完全に深い眠りに入る前だったのか、音に気が付いた。
「 誰だよこんな時間に 」ってわけですよ。
寝ぼけ眼で彼、ケータイのフタを開けてみた。
「 Eメール 1 件 」
彼、しょぼしょぼした目で文面を見たんだ。すると、
「 ご注文の品を発送いたしました 」とある。
「 ご注文の品って何だよ。何も注文してないだろ」
全仏さん、目をこすりながら、つぶやいた。
そりゃぁ、そうですよねぇー、ご注文の品を発送ってことは、大抵、数日前かそれより以前に何か注文をして、それで連絡が来るもんで、彼はその頃に何か注文した記憶がないんだから。
今日の夕方、確かにCDを注文したけど、その連絡なら早くても2~3日後なわけですよ、ふつー。
それに、こんな真夜中に発送って、あり得ないだろうと。
何を発送したのか、メールの詳しい内容を見てやろうと、彼、文面をスクロールし始めたんだけれど、とにかく眠い。睡魔に負けて、もういいや明日確認すれば、と再び眠りについちゃった。
深夜1時、2時・・・と、夜が更けてった。
し~ん、とした静かな夜でねー。
一番コワイ時間帯ですよ、ねぇ。
でも、この夜は何も起きなかった。
全仏さん、翌朝起きてみると久し振りに天気がいい。これはチャンスと、洗濯やら布団干しやらベランダガーデニングの整備やら、次から次へとあわただしく動いてた。1人暮らしだからね。バタバタとやってたんだ、うん。
もう、深夜メールの事なんかすっかり忘れてた。
やれ床掃除だ、やれアイロンだ、とやってたら朝の9時半頃になって、ふいにケータイが鳴ったんだ。
「トゥルルルル!・・・」
今度はメールじゃなくて、誰かから電話がかかってきたっていう着信音。
あれ?この時間に誰だろう?と。
ケガしてるのを知ってるから、仲間がテニスの誘いで電話してくるはずがないんだ。
表示を見てみると、知らない番号が出てる。
彼、知らない番号からの電話は大抵出ないんだけど、その日はすがすがしい晴れだったし、朝の9時半という時間帯もあって警戒心も薄れてたのかな、電話に出ちゃった。
すると、
「宅配便ですが、お届け物があります。今、ロビーにいるんですが、お届けして大丈夫でしょうか」
そう言われて、はじめて昨夜のメールの事を思い出した。あぁ、夜中のあの件か?でも何を届けようってんだ?
不審に思ったけど下まで来てるっていうんだから、とりあえず対応しなくちゃと、上がって来る様に言った。
アイロンのスイッチがそのままになってたのを思い出して、一旦ケータイを置いてアイロンのある場所に戻ると間もなく
「 ピンポーン!」
ベルが鳴ったんで、前の晩のメール内容を確認する間もなく、扉を明けて中身が何だかわからないまま品物を受け取った。
大きさは、広げた手のひら大くらいで、重さはそれほど感じない。
何だろなー、変な物が入ってたりしないだろうなー、ってね。
彼、ちょっと不安になる。
何しろ数日前をいくらさかのぼってみても、何かを注文した覚えがないんだ。
背中にツーッと冷たいものを感じながら、何かヤダなー、と思いながら、半分好奇心もあったりして。
慎重にガムテープを剥がして、そぉ~っとフタを開けてみて、全仏さん一瞬言葉を失った。
OPEN !
1th 『SQUALL』 5th 『Pineapple』
3rd 『Silhouette』
入ってたのは、記憶に新しい、注文して間もないCD。
夕方3時半に注文して、翌朝9時半に手元に届いちゃうって、不思議な話があるもんですねぇ。えぇ。
ア●ゾンだそうですよ。
なぜか急に聴きたくなって、松田聖子 ’80~’82 夏系アルバム 大人買い。
ちっともコワくない話で、失礼しました。
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